- 2016年9月28日十勝毎日新聞紙面より -
「はげ天」(帯広、矢野整社長)が、香港最大級のショッピングモール「エレメンツ」に出店した。シンガポールに続く海外2店目で、天ぷらや炉端焼き、海鮮丼など本格的な料理を、本店の良さそのままに提供している。
かき揚げ丼の提供や、豚丼のタレの輸出で取引があった香港の飲食業界最大手・マキシムグループから打診があった。
はげ天初代店主矢野省六さんの「うまいものを作るには、時に損をすることも必要」という教えと、マキシムグループの妥協しない考えが合致し、出店を決めた。
店舗の場所は、香港の高層ビル街の九龍駅直結の同モール内。128席で、7月15日の開店以来、来客数は1日300人と、好調を維持している。
メイン料理には北海道の素材を豪快に生かした「蝦夷天ぷら」を考案。料亭で主に出される江戸前の天ぷらとは違う良さを香港で広め、同メニューを「本店に逆輸入したい」(矢野社長)とする。
食材にこだわり、十勝産のナガイモや道産米のななつぼし、貝付きのホタテやホッキを週に3、4回、航空便で送っている。メニューは豚丼が約2000円、蝦夷天ぷらは約9000円。
香港とは湿度も水も違う中で試行錯誤した。矢野社長は「スタッフの研修を重ねることでおいしいものを提供できるようになった。“蝦夷天ぷら”が他にまねされるくらいの本物になるよう命がけで仕事する」と話している。(草野真由) |