豚丼物語 第二部 豚肉編[6/6] 
家庭の料理

豚の魅力を語りながら「豚すき」を料理する村田ナホさん

豚の魅力を語りながら「豚すき」を料理する村田ナホさん

 十勝といえばすき焼きは豚である。こう言い切る人は多い。価格も手ごろで地場産や道内産が手に入りやすい十勝では、開拓当時から今も豚肉が身近な食材であることに変わりはない。

定番「豚すき」は子供時代から
十勝郷土料理研究会、豆ちりばめた豚丼を

 豚は十勝の人々にとって、お金に換える貴重な経済動物だった。十勝郷土料理研究会会長の村田ナホさん(68)は「友達の家では、『このしっぽの丸いのがお兄ちゃん、これは私の豚』と、子供の飼育担当が決まっていた。冬になると換金して『オーバーコートを買うんだ』と話していた」と振り返る。

 村田さんの実家は音更町。父は獣医で、往診先の農家から豚肉をもらうことも多かった。豚の思い出といえばにおい。

 「焼くとぷんぷんと香ばしく、かめばジューシー。脂と肉の締まり具合がちょうどよくて、今よりおいしかった。放し飼いで身は引き締まり、餌も自家製だったからでは」。豚は寒さに強い。雪の上をトコトコと駆け回り、雪や氷をかじる姿が今でも目に浮かぶ。

 豚料理の定番といえば「豚すき」。フライパンに砂糖としょうゆを同じ分量だけ入れて豚肉、長ネギとタマネギをたっぷり入れていためる。豚肉が多く手に入ったときは、厚切りにし、みそに漬け込んで炭火で焼いた。「香ばしさがたまらなかった」と村田さん。

 父は、手軽に料理を作った。当時としては珍しく、豚の脂「ラード」でドーナツを揚げた。お祝い事に、豚まんじゅうをこしらえたこともある。当時、豚肉の保存方法は、冬はそのまま雪に、夏はひんやりと冷たい井戸の中につるしていた。

 村田さんは、農家で「おびひろ味銀行」を主宰する林恵美子さん、高島春枝さんと一緒に2002年、十勝郷土料理研究会を発足した。豊かな十勝の食と食文化を次世代に伝えていきたいという願いからだ。

 村田さんは豚丼に一つの提案をした。小豆、グリーンピース、黒豆、金時、大手亡、五種類の豆をちりばめた「五色豚丼」だ。「豚も豆も十勝を代表する食材。たんぱく質は豊富だけど豚肉だけではバランスが悪い。豆で食物繊維、ビタミンE、鉄分、亜鉛を補い、栄養バランスは最高」。

 十勝の豚と豆。ますます「十勝産豚丼」の魅力が広がりそうだ。

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